パン屋の少女
朝焼けに鶏の声
小麦の香りが
今日の始まりを告げる
「私この街が好き
朝日照らすテラスに
小鳥のさえずりが
今日も幸せと教えてくれるの」
「大した夢もないけれど
同じように不安もないから
本当に幸福なんだって
私そう思うんだ」
伸びる影 静かな街に伸びる
二本の確かな足で
今日も歩いている
明日も歩いていく
恋する少年
夕焼けに染まる街
彼女がいつも
通う公園に座り
「あの娘の笑顔が好き
まっさらな白いキャンバスに
そんな横顔を
すべて切り取って描いてみるんだ」
「大した理由もないけれど
あの娘がいるこの街が好き
あの娘が笑っているなら
きっとそれだけでいい」
伸びる影 静かな街に伸びる
二本の確かな足で
今日も歩いている
明日も歩いていく
少女と少年
月明かり照らす夜
潮風が香る
やがて二人は近づき
「私この世界が好き
代わり映えない日々に
大好きな人たちが
今日もそばにいてくれるだけで」
「大した夢もないけれど
それだけで幸せなんだって
本当に幸福なんだって
私そう思うんだ」
そんな夢を見た
それはささやかな憧憬
少し疲れたみたい
もう少しだけ眠ろうかな